状態の概要
腰の神経が通る空間が狭くなった状態です
背骨の中には、神経が通る「脊柱管」という空間があります。腰部脊柱管狭窄症は、腰の脊柱管が狭くなり、その中を通る馬尾や神経根が圧迫されて、脚の痛み・しびれ・力の入りにくさなどが生じる状態です。[1][2]
MRIなどで脊柱管の狭さが見つかっても、それだけで症状の原因とは判断できません。症状、診察所見、画像検査などを組み合わせて、医師が診断します。[3]
症状の例
立つ・歩くことで脚に変化が出る場合があります
- 立っている時や歩いている時に、臀部・太もも・ふくらはぎなどが痛む、しびれる
- 歩き続けると症状が強くなり、座る、しゃがむ、少し前かがみになると楽になる
- 休憩すると再び歩ける「間欠跛行」がある
- 片脚または両脚に力が入りにくい
- つまずきやすい、足の指を上げにくい
- 残尿感や排尿・排便の変化を伴う
腰痛が強くない場合もあります。一方、同じような歩行時の痛みやしびれは、他の腰の病気や血管の病気でも起こります。「前かがみで楽になる」「休むとまた歩ける」といった特徴だけで、腰部脊柱管狭窄症とは判断できません。[1][2]
受診の目安
排尿・排便や脚の力の急な変化に注意します
次の目安は病気を自己診断するためのものではありません。該当する変化があるときは、自分だけで判断せず医療機関への相談を優先してください。
緊急性が考えられる変化
至急、医療機関へ相談する目安
- 尿が急に出にくくなった、または尿が出ない
- 尿や便が急に漏れる
- 股や会陰部の感覚が鈍い
- 両脚に急な、または悪化する強い筋力低下がある
- 急に立てない、歩けない
このような場合は馬尾症候群などの可能性があるため、夜間・休日を含め救急医療機関への相談を優先してください。[4]
状態を確認したい変化
早めに整形外科へ相談する目安
- 歩ける距離が短くなってきた
- 脚のしびれ、痛み、脱力が増えている
- つまずきや転倒が増えた
- 症状が繰り返す、長引く
- 安静時や夜間にも強く痛む
- 発熱を伴う、または転倒・事故のあとから強く痛む(当日中を目安に医療機関へ)
日常生活や仕事に支障が出ている場合も、整形外科で状態を確認してください。[5]
日常生活
症状を押し切らず、安全に休憩を入れます
- 無理に歩き続けない痛みやしびれが強くなるまで歩き続けず、安全な場所で休憩してください。
- 転倒を避ける前かがみで楽になる場合は無理に腰を反らし続けず、必要に応じて手すりを使います。
- 補助具は相談して選ぶ専門学会の資料では杖や押し車を使う工夫も紹介されていますが、使い方は医師や医療職へ相談してください。[2]
- 変化を記録する歩ける時間・距離、症状が出る側、排尿・排便の変化を記録すると、受診時に伝えやすくなります。
運動や体操は一律の方法を決めず、整形外科で状態を確認したうえで選んでください。
作成情報
参考資料
作成:川口夜間整体院
初稿作成日:2026年7月16日
資料確認日:2026年7月16日
- 日本整形外科学会「整形外科シリーズ8 腰部脊柱管狭窄症」(PDF)
- 日本脊椎脊髄病学会「首や腰の痛み、手足のしびれでお困りの方へ・主な疾患」
- Minds「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(改訂第2版)」
- 日本整形外科学会「腰部脊柱管狭窄症」
- 日本整形外科学会「腰痛」
症状が強い、急に変化した、長引いている場合は、医療機関へご相談ください。本ページに記載した目安だけで病気や緊急性を判別することはできません。