一般向け健康情報

肘内障とは

子どもが急に腕を動かさなくなったとき、家庭で戻そうとせず、医療機関を受診する目安を整理します。

涙を浮かべ、片腕を胸の前でかばう白衣姿の犬のマスコット

状態の概要

肘の骨が靱帯から外れかかる状態です

肘内障は、肘の靱帯から肘の外側にある骨の一部(橈骨頭)が外れかかる状態です。多くは5歳以下の子どもにみられ、手や腕を引かれた後などに起こることがあります。[1]

みられることのある様子

  • 手や腕を引かれた後、急に泣き出す
  • 腕を体の横に下げたまま動かそうとしない
  • 肘を少し曲げた姿勢を続ける
  • 物を持つ、手を伸ばすといった普段の動きをしなくなる

これらは様子の例です。「腕を動かさないから肘内障」と判断することはできません。小児では腫れが目立たない骨折もあります。[2]

受診の目安

子どもが腕を使わないときは医療機関へ

肘内障と骨折・脱臼を家庭で区別することは困難です。腕を動かさない状態が続くときは、当日中に整形外科へ相談してください。

緊急性が考えられる変化

救急外来や119を優先する目安

  • 肘や腕が大きく変形している、急に強く腫れた
  • 傷があり、出血が続いている
  • 手や指がしびれる、または動かせない
  • 指先が反対側より冷たい、白い、青紫色に見える
  • 転落や強い衝突の後で、激しい痛みが続く

肘周囲の骨折では、神経や血管を損傷することがあります。[3][4]

状態を確認したい変化

当日中に整形外科へ相談する目安

  • 手や腕を引かれた後から腕を使わない
  • 触れると泣く、腕を動かそうとしない
  • 見た目の腫れが少なくても、痛みが続いている
  • いったん腕を使えるようになっても、同じ状態を繰り返す

受診までの対応

家庭で整復を試みないでください

肘内障には医療機関で徒手整復が行われます。ただし、家庭では骨折や脱臼との区別ができないため、動画や記事を見ながら整復を試みず、医療機関で確認を受けてください。[1][2][5]

  • 本人が楽に感じる位置で腕を保つ
  • 痛がる腕を無理に曲げ伸ばししない
  • 手首や腕を引っ張ったり、ひねったりしない
  • 動画や記事を見ながら、家庭で戻そうとしない

繰り返さないために

腕を伸ばしたまま強く引かない

  1. 手や腕を急に引かない子どもの肘を伸ばし切った状態で、手や腕を強く引かないよう注意します。
  2. 同じ状態を繰り返したら受診する以前と似た様子でも、家庭で肘内障と決めつけず、その都度医療機関へ相談してください。
  3. 医療機関の説明に沿う整復後の過ごし方や活動については、腕の状態を確認した医師の説明に従ってください。

作成情報

参考資料

作成:川口夜間整体院
初稿作成日:2026年7月16日
資料確認日:2026年7月16日

  1. 日本整形外科学会「肘内障」
  2. 日本整形外科学会「小児の骨折」
  3. 日本整形外科学会「上腕骨顆上骨折」
  4. 総務省消防庁「救急受診ガイド」(PDF)
  5. 日本手外科学会「肘内障」(PDF)

本ページの目安だけで肘内障、骨折、脱臼を区別することはできません。子どもが腕を使わない、強く痛がるなどの変化がある場合は、医療機関へご相談ください。